はん)” の例文
その手簡の一つは、蘇州の押司おうしはん院長と云う者に与えたもので、一つは吉利橋下きちりきょうかに旅館をやっている王と云う者に与えたものであった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
晉では當時はん中行ちうかう氏の亂で手を燒いてゐた。齊・衞の諸國が叛亂者の尻押をするので、容易に埒があかないのである。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
翌朝になって孟は、隣のばあさんを頼んではん夫人の所へいってもらった。范夫人は孟が貧乏人であるから、むすめにはからないでそのままことわってしまった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
書生はいつもそれをにないあるいて、かれを担生たんせいと呼んでいたが、蛇はいよいよ長大になって、もう担い切れなくなったので、これをはん県の東の大きい沼のなかへ放してやった。
(五) これは畢竟ひつきやう余論である。志賀直哉氏の「子を盗む話」は西鶴の「子供地蔵」(大下馬おほげば)を思はせ易い。が、更に「はんの犯罪」はモオパスサンの「ラルテイスト」(?)を思はせるであらう。
晋では当時はん中行ちゅうこう氏の乱で手を焼いていた。斉・衛の諸国が叛乱者の尻押をするので、容易にらちがあかないのである。
盈虚 (新字新仮名) / 中島敦(著)
はん十一娘は※城ろくじょう祭酒さいしゅむすめであった。小さな時からきれいで、雅致がちのある姿をしていた。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)