ぱい)” の例文
「貴様等の一人、二人が何んだ。川崎一ぱい取られてみろ、たまったもんでないんだ」——監督は日本語でハッキリそういった。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
殊に落語家はなしかなどを極く可愛がりました人だそうで、丁度四月十一日のこと、山三郎は釣が好きでございますから徳田屋という船宿へ一ぱい言付けて置いて
日の丸の旗を立って大船一ぱい、海産物積んで、乗出いて、一花咲かせる目的もくろみでな、小舟町へ商会を開いた当座、比羅びら代りの附合で、客を呼ぶわ、呼ばれもしたので、一座に河岸の人が多かったでな。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山「あい、釣に往ったが訳があって脇へ廻ったのだが、大急ぎで舟を一ぱい仕立て、天神山までって呉んな」
大急ぎで船を一ぱい仕立って呉れんか、一寸ちょっと浦賀へ帰るから大急ぎで、風が悪いから其の積りで、食物くいものや何かはどうでもいから…時にお蘭さん、あの母から手紙が来まして