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腫
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はら
ふりがな文庫
“
腫
(
はら
)” の例文
ミネの嘆きのつきあいをさせられる悠吉が、もてあましていうのへ、ミネは泣き
腫
(
はら
)
した顔を、それでもそのときは笑いながら
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
美しい顔を泣き
腫
(
はら
)
しながら、ただ
褌
(
ふんどし
)
だけを身に纏うてとぼとぼと夕日の下を西の方へ歩んで行った。百姓どもは皆この臆病者をあざわらった。
三浦右衛門の最後
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
中に
頬
(
ほ
)
を少し
腫
(
はら
)
した若い弟子が一人仕事をして居たので、
其
(
その
)
弟子に来意を告げると、翁は
今朝
(
けさ
)
巴里
(
パリイ
)
へ
行
(
ゆ
)
かれたと云ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そうだ、おせんは身に覚えが無いと言って泣いたりしたが、
終
(
しまい
)
には観念したと見え、紅く泣
腫
(
はら
)
した顔を揚げて、
生家
(
さと
)
の方へ帰れという夫の言葉に
随
(
したが
)
った。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、やがて台所へ、おえつが眼を泣き
腫
(
はら
)
した顔して
退
(
さが
)
って来た。何か、良人の気を損ねたのであろう。
煎薬
(
せんやく
)
の土瓶をこん炉へかけながら袖口で涙をふいていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
何か心配し迎えて見ると、急に目を
腫
(
はら
)
し痛みに堪えず来たという。十二時近く又自動車で須田病院というのにつれてゆき、風眼ではないことが分ったので大安心。
日記:10 一九二四年(大正十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ひとり娘をうしなったお伊勢は眼を泣き
腫
(
はら
)
して半七のまえに出た。かれは五十に近い大柄の女であった。
半七捕物帳:23 鬼娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
富岡は、一瞬、
吃驚
(
びつくり
)
した様子だつたが、何も云はないで、眼を赤く泣き
腫
(
はら
)
して、自分の前に立つたゆき子を見ると、すべてを観念した様子で、「何時来たの?」と、静かに聞いた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
秘蔵の
義董
(
ぎとう
)
の
幅
(
ふく
)
に
背
(
そむ
)
いて
横
(
よこた
)
えた
額際
(
ひたいぎわ
)
を、小夜子が
氷嚢
(
ひょうのう
)
で冷している。
蹲踞
(
うずくま
)
る枕元に、泣き
腫
(
はら
)
した眼を赤くして、氷嚢の
括目
(
くくりめ
)
に寄る
皺
(
しわ
)
を勘定しているかと思われる。容易に顔を上げない。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と眼も何も泣き
腫
(
はら
)
して、
無類
(
むるい
)
の別嬪がしごきの
扮装
(
なり
)
で
家
(
うち
)
へ這入りました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
節子は看護に疲れた顔を泣き
腫
(
はら
)
しながら病室の方で岸本を待ち受けていた。岸本が病人の側で彼女と一緒に成った頃は、義雄も輝子も急いで集まって来た。死は既に嫂の身体に上りかけていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
奥様は泣
腫
(
はら
)
した御顔を御出しなすって、きょうの御祝の
御余
(
おあまり
)
の白米や
金銭
(
おかね
)
をこの女に施しておやりなさるところでした。奥様が巡礼を御覧なさる目付には言うに言われぬ
愁
(
うれい
)
が籠っておりましたのです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
腫
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
“腫”を含む語句
水腫
腫物
浮腫
腫脹
蚯蚓腫
泣腫
腫瘍
腫上
地腫
腫起
肉腫
脬腫
癌腫
腫瘤
肺気腫
青腫
腫眶
糜爛性腫瘍
腫瞼
下腫
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