胚種はいしゅ)” の例文
故に浪漫派は、実に近代詩の開祖であって、今日のあらゆる詩派に於ける母音のものは、すべて此処ここ胚種はいしゅしている。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
自分の思想の胚種はいしゅをいだいて出て来たばかりの今この時、なぜねらったように老婆の話に行きあたったのか?……彼はこの事情の一致がいつも不思議に思われた。
ファーラーの魅力の胚種はいしゅは、リリー・レーマンのうちにあったことを発見(?)したのである。
或は錫蘭セイロン島だといい、いや、架空の表現なのだとか、いろいろ議論がありますものの、大体北方の哲学の胚種はいしゅが、後世文化の発達した、これ等南の海洋の気を受けた土地に出て来て、伸々と芽を吹き
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)