紫草むらさき)” の例文
「紫野」は染色の原料として紫草むらさきを栽培している野。「標野」は御料地としてみだりに人の出入を禁じた野で即ち蒲生野を指す。「野守」はその御料地の守部もりべ即ち番人である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
紫草むらさきのにほへるいもを憎くあらば人嬬ひとづまゆゑに吾恋ひめやも
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
紫草むらさきのにほへるいもにくくあらば人嬬ひとづまゆゑにあれひめやも 〔巻一・二一〕 天武天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しにいきも同じ心と結びてし友やたがはむ我も依りなむ」(巻十六・三七九七)、「紫草むらさきを草とく伏す鹿の野はことにして心は同じ」(巻十二・三〇九九)等が参考になるだろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)