精励恪勤せいれいかっきん)” の例文
精励恪勤せいれいかっきん、品行方正で「君子」の仇名あだなを取った私も、ナオミのことですっかり味噌みそを附けてしまって、重役にも同僚にも信用がなく、甚だしきは今度の母の死去に就いても
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして私はナオミの愛におぼれてはいましたけれど、会社の仕事は決しておろそかにしたことはなく、依然として精励恪勤せいれいかっきんな模範的社員だったので、重役の信用も次第に厚くなり、月給の額も上って来て
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)