粗忽そそ)” の例文
その挙動は、かなり粗忽そそっかしいものであります。ついには油壺が邪魔になるので、その油壺を振り落して堀際を駆けました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
手品師は慌てて、二度三度同じ事を繰り返したが、その都度手先が段々粗忽そそつかしくなるばかりで金魚は少しも釣れなかつた。そしてしまひには、金魚の代りに小姓の前髪を釣り上げた。
(やあ、人参にんじん干瓢かんぴょうばかりだ。)と粗忽そそッかしく絶叫ぜっきょうした。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)