ここ数日、勝頼父子をめぐる残余の侍四十一名と、簾中上﨟れんちゅうじょうろうたち五十人の一群は、天目山のうちの平屋敷とよぶ所に、しばしのさくって立て籠っていたが、こう聞くと
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)