窓脇腰掛バンタケット)” の例文
彼はかならず窓脇腰掛バンタケットの角隅に席を選む。彼には何年来定まった席があるのだ。その席がもし他の客に占られていたならにらむ。しばらく立並んでのろいの眼で睨む。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
白と金の羽目框パネル、室内を晴やかに広く見せる四方の鏡壁、窓脇腰掛バンタケットと向き合う椅子は薔薇ばらいろの天鵞絨ビロード張りで深々としている。静で派手な電光。それは一通り世の中を知ったマダムだ。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)