突起とっき)” の例文
老師も盃を傾けて口のそばに持っていった。しかし師は酒を呑んだわけではない。老師の拇指おやゆびが、その盃についている突起とっきをちょいと押した。
「うむ、これだよ!」と呟くと、数間離れた地面の一箇所、そこにニョッキリ突起とっきしている、赤錆びた槓杆こうかんを引っ掴んだ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そこのその突起とっきこわさないように。スコープを使いたまえ、スコープを。おっと、も少し遠くから掘って。いけない、いけない。なぜそんな乱暴をするんだ。」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「そこのその突起とっきをこわさないように、スコップを使いたまえ、スコップを。おっと、も少し遠くからって。いけない、いけない、なぜそんな乱暴らんぼうをするんだ」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)