旧字:稱讃淨土經
をとゝひまで、手写しとほした、称讃浄土経シヨウサンジヤウドキヤウモンが胸に浮ぶ。郎女は、昨日までは一度も、寺道場をノゾいたこともなかつた。父君は家の内に道場を構へて居たが、簾越しにも聴聞チヤウモンは許されなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)