盲信もうしん)” の例文
父母の天皇皇后はそのように彼女を育て、そしてはなはだ軽率に彼女の高貴な娘気質を盲信もうしんした。我々の娘だ。特別な娘だ。男などの必要の筈はない、と。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
私たちがこの巻物を読む間、主人は一言の説明を加えるでもなく、だまってかしこまっているだけであった。が、心中何の疑いもなく、父祖伝来のこの記事の内容を頭から盲信もうしんしているらしい顔つきである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)