目眩めまぐ)” の例文
あの目眩めまぐるしい東京の下宿の二階で、遠く走る電車の音を耳にしながら、ページを一枚一枚にまくって行く方が、気に張りがあって心持よく勉強ができた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この加速度的な生活の目眩めまぐろしさは、人々が垂れこめて、深く思索にふける余裕を与えない。人々は我知らず、生活の苦しさからい出んとして、瞬間的な享楽を求める。街にはシネマがある。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
この四つが、目眩めまぐろしい火光あかりと轟々たる物音に、遠くから包まれて、ハッと明るい。お定が一生の間、東京といふ言葉を聞く毎に、一人胸の中に思出す景色は、恐らく此四つに過ぎぬであらう。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
この四つが、目眩めまぐろしき火光あかりと轟々たる物音に、遠くから包まれて、ハツと明るい。お定が一生の間、東京といふ言葉を聞く毎に、一人胸の中に思出す景色は、恐らく此四つに過ぎぬであらう。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)