爼板岩まないたいわ)” の例文
柵外の爼板岩まないたいわの上に立つと、あなたのほうに洞窟の暗い口と、合歓ねむの巨木が見えた。有村は、弓を構えて磐石ばんじゃくの上に立っていたが
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下へおりると川風があった、彼は初めて手拭を出して埃と汗を拭き、平らな爼板岩まないたいわの、日蔭になったところへ腰をおろして、すっかり汗のひくのを待った。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「あの爼板岩まないたいわの辺りから——そういえば沢辺さわべのほうへ降りたのかも知れぬ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三位卿も、木魂こだまにつんざいた今の声に驚いて、爼板岩まないたいわの上へ突っ立った。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ流れの向うへまできて、爼板岩まないたいわの端へ腰を下ろした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)