焦躁あせり)” の例文
何となく彼の焦躁あせりが感ぜられるからである。老将の眼から見ると、総帥そうすいたる人のそういう心理は案じられるものだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
答「いや、さいごには、その滅失を取り戻そうとなされた焦躁あせりが、直義ただよしさまを、あんな思いきッた御処置になされた、第一の御理由であったように思われまする」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことし五十を一つこえて、痛切に或る悔いと、生涯に期する焦躁あせりを抱いていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さては曹操も、焦躁あせり立って、総攻撃にかかって来たな」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)