清洲城きよすじょう)” の例文
この上に、あの寧子ねねが、宿やどつまとなっていたら、申し分ないが——と思ったりしながら、今朝も、清洲城きよすじょう外濠そとぼりを歩いて来た。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後も、家康はなおしばらく、小牧の営にふみとどまっていたが、彼もやがて、酒井忠次さかいただつぐをのこして、清洲城きよすじょうへ退いた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その朝、彼は衣服を正して、清洲城きよすじょうのうしろの林へ歩んだ。霜ふかい木の間道には、むしろを敷き通してあった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういう時、領主の兵は、火の手を見るや、那古屋なごや清洲城きよすじょうから殺到して、眼の前で、敵を蹴ちらし、敵を斬り、そして各所のとりでや木戸の兵も出合わせて、これを殲滅せんめつした。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長島城ながしまじょうの信雄と、清洲城きよすじょうにある家康とを、分断してしまう作戦であったものが、反対に、いまでは蟹江へ上陸あがった滝川一益と、水上にぶらぶらしている九鬼船団とが、徳川、北畠の両軍によって
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)