涎懸よだれか)” の例文
涎懸よだれかけのように石を喰い欠いて、堆く盛り上っている、その雪田の下の方を、半分以上廻り途して、頂上へと達した。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
この傾斜を上り切って、ひょいと顔を出すと、槍ヶ岳の大身の槍尖が、すいと穂を立てている、そうして白い雪が、涎懸よだれかけのように半月形をして、その根元の頸を巻いている。
槍ヶ岳第三回登山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)