浦添うらそえ)” の例文
昨年の夏、東恩納ひがしおんな寛惇かんじゅん〕君が帰省したので、二人で琉球語の金石文を読みに浦添うらそえの古城址を訪ずれたが、思いがけずも灰色の瓦の破片が其処此処そこここにころがっているのを見た。
土塊石片録 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
勝連かつれん文化と私はかりに呼んでいるのだが、その勝連文化と首里・那覇を中心とした文化、すなわち浦添うらそえ文化とでも言うべきものとの間には、系統上の相異があったのではなかろうか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかし浦添うらそえ城址じょうしから見出される瓦等にも高麗こうらいの工匠が作ったということが記してあるから、朝鮮との交渉は遥かに古くさかのぼるのであろう。今の琉球の赤瓦の屋根は、朝鮮風な所が著しく見える。
現在の日本民窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)