沒分曉漢わからずや)” の例文
新字:没分暁漢
救ふべからざる沒分曉漢わからずやは別として、多少なりとも文藝の作品に親しみを持つ人は、その主義や趣味の相違からあきたらず思ふ點はあるに違ひ無いが
貝殻追放:011 購書美談 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
『好し、好し、今歸つてやるよ。僕だつて然う沒分曉漢わからずやではないからね、先刻御承知の通り。處でと——』と、腕組をして凝乎ぢつと考へ込む態をする。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まへはそんなことつて、胡麻化ごまくわすんだ。きつ仲買なかがひしてあるくんだらうと、いや、はや、沒分曉漢わからずや親分おやぶん
寢たい時には寢て、起きたい時には起きて、北川のやうな機械的に時間に縛られて齷齪あくそくしなくつてもいゝのだから。……藝術家の不規則な生活くらしを責めるのは沒分曉漢わからずやよ。私始終さう思つてゐるの。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
兎に角自分は自分の近親者の中に、かういふ沒分曉漢わからずやの居ない事を希望する。