客は、沈思逡巡ちんししゅんじゅん、思いきり悪くしぶっていたが、いよいよ、のっぴきならなくなったのか、あらためて慇懃に一礼すると
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)