水木みずき)” の例文
そう我知らず呟いた時、フト思い出したのは、此処で二三日前、偶然に行逢った中学時代の同級生水木みずきのことだった。
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
長唄は六三郎、踊は水木みずき。しみったれたことや薄手うすでなことはなによりきらい、好物はかんのスジと初茸はつだけのつけ焼。
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
殊に、中に一本水木みずきがある。幹に小孔をあけておけば、さんさんと水液がしたたり出て、支那では之を不老長生の霊水と称したという、あの珍らしい水木である。
樹を愛する心 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)