つく)” の例文
抽斎の医学上の著述には、『素問識小そもんしきしょう』、『素問校異』、『霊枢れいすう講義』がある。就中なかんずく『素問』は抽斎の精をつくして研窮した所である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あるいは枯山からやまをして変えて青山にす。あるいは黄なるつちをして変えて白き水にす。種々くさぐさあやしき術、つくして究むべからず。
而して聽者のその空想の力をつくして自ら描出する所のものは、つひにわが目撃せし所の美に及ばざるなるべし。蓋し自然の空想圖ははるかに人間の空想圖の上にあるものなればなり。
麟経りんけいニ載スル所ノ雨木氷ナル者ナリ。アマネク耆旧ききゅうフニ皆曰クイマダ経テ見ザル所ナリト。実ニ奇観ナリ。詩仏ノ詩アリ。極メテソノ状ヲつくス。凝不成花異霿淞。著来物物各異容。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その後また捜索すると、それより少なくとも五百二十年古く、後漢の張平子の『西京賦』に、〈ここにおいて鳥獣、目をつく覩窮みきわむ、遷延し邪視す、乎長揚の宮に集まる〉。
あるいは黄なるつちをして変えて白き水にす。種々くさぐさあやしき術、つくして究むべからず(『扶桑略記ふそうりゃっき』四には多以究習とす)。また、虎、その針を授けて曰く、慎矣慎矣ゆめゆめ、人をして知らしむることなかれ。