歩度ほど)” の例文
何か考えているらしい緩やかな歩度ほどでコトリコトリと近付いて来るのであったが、やがて私の檻の前まで来るとピッタリと立ち止まった。
怪夢 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一鼓三足いっこさんそくといって、歩度ほど間尺ましゃくがきまっているもんだそうですが、お氷献上の駕籠ゆきは、添役そえやくが袂時計を見ながら、ホイと掛声をかけると、サッサ、サッサと四歩でる。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼は部下を呶鳴どなりつけて歩度ほどを早めた。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)