此樣子このやうす)” の例文
ぼく子供心こどもごころにも此樣子このやうす不審ふしんおもつたといふは、其男そのをとこ衣服みなりから風采ふうさいから擧動きよどうまでが、一見いつけん百姓ひやくしやうです、純然じゆんぜんたる水呑百姓みづのみひやくしやうといふ體裁ていさいです
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
地獄ぢごくほとけあふたる心地なし世にもなさけあるおことばかなと悦び臺所だいどころへ到りて空腹くうふくの事ゆゑ急ぎ食事しよくじせんものと見ればいづれも五升も入べき飯櫃めしびつ五ツならべたりめし焚立たきたてなりければ吉兵衞は大きに不審ふしん此樣子このやうすでは大勢おほぜいの暮しと見えたれども此程の大家に男は留守るすにもせよ女の五人や三人はをるべきに夫と見えぬは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)