檳榔毛びろうげ)” の例文
親王興に入りたまいて、さらば足下そなたのは、と問わせたまうに、旧上達部ふるかんだちべ檳榔毛びろうげの車にりたるが、時に其声を聞くにも似たらん、と申した。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
五条のたもとまで行って、ながえ螺鈿らでんがちりばめてある美しい檳榔毛びろうげ蒔絵輦まきえぐるまがやってきたら、そっと、後をけてこい。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予期されたように公子と花世もいっしょに行くことになり、檳榔毛びろうげの車に乗って、まだ露のあるうちに邸の門を出た。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)