榮螺さざえ)” の例文
新字:栄螺
鯛の頬肉のうまさというが、頬肉は口の開閉を司る筋肉であって、一度鯛が口を開いてぐっと噛み締めれば、あの硬い榮螺さざえでも噛み砕いてしまうのである。そのはずである。
鯛釣り素人咄 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
榮螺さざえを入れた網袋をさげた女の人を見ない風して、狹い橋を避けるやうにして二三歩すゝむと、旦那さんらしい人にぢつと見られて私は顏を伏せたが、がつしりした體格であること
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
蝦蛄しゃこ、幽霊蝦蛄、活烏賊、イカナゴ、擬餌、芋、味噌団子、烏賊の腸、赤虫、秋の魚のブツ切りなどであるが、鯛は自然に生活しているこのほかに榮螺さざえ宿借やどかり、蛤、浅利あさり、蟹、牡蠣かき、ウニ、ユウ
鯛釣り素人咄 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)