極上ごくじょう)” の例文
と照彦様は数日わかれていたなつかしさが手つだって、極上ごくじょうのごきげんだった。正三君の名刺には○○中学校生徒としてあった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
首尾は極上ごくじょうだった。自室の方はすっかり妾の手で準備が整った。そこで妾は決心をして、真一を呼びにいった。彼は呼ぶとすぐ部屋から現れた。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
欧羅巴全体が敵も味方も咽喉のどを鳴らして待っている極上ごくじょう飛切とびきりの紅茶バッカリと、かねずくを通り越したお客バッカリ満載しているんだからね。紀州の蜜柑船みかんぶねどころの騒ぎじゃない。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それに毀れた方はざっとした菫花すみれの模様で、焼も余りよくありませんが、こちらは中は金襴地きんらんじで外は青華せいかで、工手間くでまもかかっていれば出来もいいし、まあ永楽といううちにもこれ極上ごくじょうという手だ
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)