桃金嬢てんにんか)” の例文
おかあさんはまた入り口の階段かいだんを上ってみますと、はえしげった草の中に桃金嬢てんにんかと白薔薇との花輪が置いてありましたが、花よめの持つのにしては大き過ぎて見えました。
走り寄りて桃金嬢てんにんかの冠をささぐとか、真なるもの、美なるもの、兀鷹はげたかの怒、はとの愛、四季を通じて五月の風、夕立ち、はれては青葉したたり、いずかたよりぞレモンの香、やさしき人のみ住むという
喝采 (新字新仮名) / 太宰治(著)