本門寺ほんもんじ)” の例文
かくの如く遊されて本門寺ほんもんじへ渡し是を御門へ張置はりおくべしと仰渡おほせわたされけりよつて右の狂歌きやうか張置はりおきければ是にはぢかさねてさやうないたづらをばせざりしとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お兄様はやっと思い出したらしく、「そうだ、遠足して池上いけがみ本門寺ほんもんじの傍の古い家で弁当をつかって休んだ時、友達が喜んで食べたっけ。由緒ゆいしょのあるらしい古い家だった。」
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
土用の明けるその日を期して、池上いけがみ本門寺ほんもんじを始め諸処の古寺では宝物の虫干かたがた諸人の拝観を許す処が多い。種彦の家でも同じくその頃に毎年蔵書什器じゅうき虫払むしばらいをする。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
回向院えこういん相撲すもう本門寺ほんもんじ御会式おえしきのように幾旒いくながれとなく長い旗を所々に植え付けた上に、世界万国の国旗をことごとく借りて来たくらい、なわから縄、つなから綱へわたしかけて、大きな空が
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十月二十四日 池上いけがみ本門寺ほんもんじ。三世中村歌右衛門建碑式。歌右衛門肖像画に賛。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
かけられ諸人のために仰付られけるとかや右過料くわれう御政事ごせいじに當りてまこと諸人しよにんの爲と成て可なりしとかや江戸いけはた本門寺ほんもんじは紀州の御菩提所ごぼだいしよなれば吉宗公と御簾中ごれんちう本門寺ほんもんじ御葬送ごさうそう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)