旦那たんな)” の例文
李聖学が表を通り、旦那たんなさん、行って来ます、と云って去ったあと、小屋の壁にかけた六角時計が九時を打ったのに、運転手はやって来なかった。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
むかついて来るのを押え、なあ出てくれよ、と彦太郎が機嫌をとるように云うと、ようやく振り返って、旦那たんなさん、わしはこの仕事しことやめようかと思うて居るてす、と云った。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)