新渡戸にとべ)” の例文
新渡戸にとべ博士は婦人雑誌の原稿をかく時には、細君の同意をるやうな考へしか書かないさうだが、もつてのほかの不了見である。
私としてはあなたが新渡戸にとべ先生の宗教に赴かれないで、ドストエフスキーの宗教に入られることを切望するのである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
日向を旅して椎葉しいばに行った時、そこの民家の構造が、非常に私の生家などと違っていたので、どういう訳だろうと思って、新渡戸にとべ博士と議論をしたことがある。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
精神未熟といわんより理想高き性格の高潔なるをしょうするものだ、といって僕をなぐさめてくれたことがあったが、かくいえば、あるいは新渡戸にとべやつめが自分の不足なるところを
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これは以前新渡戸にとべ博士から聴いたことで、やはり少しも作り事らしくない話である。陸中二戸にのへ郡の深山で、猟人が猟に入って野宿をしていると、不意に奥から出てきた人があった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)