政府おかみ)” の例文
いんを踏んで話をする人が世の中にありますかね? またたとい政府おかみの言いつけであろうと、韻を踏んで話をすることにでもなったら
政府おかみの御用だと称して獣脂を狩り集め、人々をまんまとペテンに掛け、例の梵妻からなどは百ルーブリの余も巻きあげて行ったからである。
「御承知の通り、政府おかみの事ですから、別にお礼といつては出ないが、その代りいつ迄も御家おいへの誉れになる事でせうよ。」
セレスタンにはいっぱい大砲が置いてあるらしいよ。世の中を騒がすことばかり考えてるこんなやつどもにかかっちゃ、政府おかみもやりきれたもんじゃないね。
おれの身体でも売れるといいんだが、野郎と来ちゃあ政府おかみへでも売りつけるより仕様がねえ、ところでおれ様と来ちゃあ政府おかみでも買い切れめえじゃあねえか。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それが段々嬉しくなって、可愛らしくもなり、ついこういうことにもなったんだが、他愛なさも、仇気なさも、おなかを……可いかい、政府おかみへ知れりゃ罪人だぜ。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四方八方から寄せてくるといううわさが高く、泥棒を見て縄をなうというような腰抜けな政府おかみも、狼狽あわてくさって、それ大砲、それ鉄砲と、えらい騒ぎをはじめたのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
政府おかみに何か騒が御座いましてネ、今の大隈様おほくまさんだの、島田様だのつてエライ方々が、皆ンなそろつ御退おさがりになりましてネ、其時山木様も一所に役を御免おやめになつたのです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
さあその弗箱の在所が己れは気にかかる。かかつたところで仕方なし、こればかりは政府おかみでさへも、所得税は徴収せぬに、要らぬ詮索止めにせいと、さすが差配の息子殿は真面目なり。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
何だと、……おれ政府おかみの厄介に為らうが為るまいが、何も奴等うぬらの知つた事つちやえだ。何が……この村の奴等……(少時しばし途絶えて)この藤田重右衛門に手向ひするものは一人もあるめい。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「オイ、何でもナ、近けえ内に政府おかみの役人の良い所が巡検に来るとヨ」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
なんでも前に、さる大がかりな政府おかみの建築を監督したことがあるそうですがね。その建築に、何か疑獄事件があったそうで。
貴方方あなたがたは、しよつちゆう政府おかみの御用をてゐられる名誉の御境涯だから、別に知行ちぎやうなぞはお貰ひになりますまいな。」
敷き布のことと、屋根裏から植木鉢うえきばちを一つ往来に落としたというだけで、百フランの罰金を政府おかみから取られたんですよ。あまりひどいではありませんか。
何も宵啼をすりゃこうと、政府おかみからおふれが出たわけじゃないけれども、うがすかい、心持だ。悪いことはいませんや、お前さんのおためにその方がかろうと思うからね。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なあに、貴様が火をけると言つたんぢやねえ。貴様が火を放けようと、放けまいと、それにやちやんと、政府おかみといふものがある。貴様も一度は、これで政府おかみの厄介に為つた事が有るぢやねえか」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
『みんなから利口な人だと言われておりますだよ。税関にいたこともあるし、何だか政府おかみの普請をやったこともありますだ』
「でも御座らうが、政府おかみの御用で、この上もない御老人の御名誉といふものですから……」属官は何でもでも名誉の一点張りで押しつけようとする積りらしかつた。
「いつでも政府おかみを倒そうとばかりしてやがる。」
まだお前さんから、いろんな農産物を買うつもりだったけれど、仕方がない、私は政府おかみ御用達ごようたしも務めていますからね……。
⦅この人がもし、うちの麦粉や家畜をずっと政府おかみの御用に買いあげてくれることになれば、ほんとに有難いよ。⦆と、コローボチカはその間に、ひとりで考えた。
この分署長は、あらゆる美術や工芸の大の奨励家であったが、何よりも政府おかみの紙幣に愛着を持っていた。【これに限るよ。】そう言うのが彼の口ぐせだった。【これに優るものはまずない。
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)