“摂津国屋”の読み方と例文
読み方割合
つのくにや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
細木香以は津藤つとうである。摂津国屋つのくにや藤次郎である。わたくしが始めて津藤の名を聞いたのは、香以の事には関していなかった。香以の父竜池りゅうちの事に関していた。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
津藤つとう即ち摂津国屋つのくにや藤次郎とうじろうは、名はりん、字は冷和れいわ香以こうい鯉角りかく梅阿弥ばいあみ等と号した。その豪遊をほしいままにして家産を蕩尽とうじんしたのは、世の知る所である。文政五年うまれで、当時四十歳である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
宿は阿波座あわざおくひ町の摂津国屋つのくにやである。然るに九郎右衛門は二人を立たせてから間もなく、足が好くなって、十四日には姫路を立って、明石から舟に乗って、大阪へ追いかけて往った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)