打付ぶつつ)” の例文
『モウらん。』と凄じく怒鳴るや否や、周章あたふた下駄を突懸けて、疾風の様に飛出したが、小路の入口でイヤと云ふ程電信柱に額を打付ぶつつけた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
情婦をんなが有るのがどうしたと、かう打付ぶつつけて有仰らんのです。間さん、私貴方に向つてそんな事をかれこれ申す権利は無い女なので御座いますよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「そんなら降りてやるが、降りてから竿なんぞ持つて來るなら、石打付ぶつつけてやるぞ。」つて僕はズル/\辷り落ちた。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
爺奴ぢぢいめおどす気になツて、「竿持ツて来て叩き落すぞ。」ツて云ふから、「そんな事するならかうして呉れるぞ。」ツて、僕は手当り次第林檎を採ツて打付ぶつつけた。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
爺奴ぢゞいめおどかす氣になつて、「竿持つて來て叩き落すぞつ。」つて云ふから「そんな事するならうして呉れるぞ。」つて、僕は手當り次第林檎をつて打付ぶつつけた。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)