戸閉とじ)” の例文
むろんこれがために迷惑めいわくを受け、他人より多く笑われ、他人より一層多く非難されることもある。しかし常に心に戸閉とじまりし、つねにかくさんとする重荷おもにがないだけ気軽で、大なる利益がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「好きなこともよう出来ず、さりとて政事まつりごとからは戸閉とじめを喰い、せめて歌でもむか、書でも書くか。そこよりほかに力の出し場がないなどということが……アハハハハ、のう坊主、あろかいな」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
往来おうらいの家は戸閉とじまりをしっかりしていた。