我意わがい)” の例文
苦沙弥君の説明はよく我意わがいを得ている。むかしの人は己れを忘れろと教えたものだ。今の人は己れを忘れるなと教えるからまるで違う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、それはにがい、或ひは悲しげな微笑ではなく、いかにも我意わがいを得たと云つたやうな、深い滿足したやうなものであつた。
子供達は我意わがいを得たと云わぬばかりに、立処たちどころに賛成した。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)