貞観の初めは恵心院源信えしんいんげんしんの晩年であって、来迎図らいごうずに現われたような特殊な幻想がすでに力強く育っていた。右の諸作にもこの傾向は著しく認められる。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)