御題ぎょだい)” の例文
或は新年の御題ぎょだいを、所謂いわゆるヌーボー流に描き、五遍七遍の色版を重ねて、金朱絢爛たるも有り。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
「やはり、和歌うたのことからです。——この正月、御所の歌会始めに主上から恋という御題ぎょだいが仰せ出されたのです。その時、僧正の詠進えいしんされたお歌は、こういうのでありました」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、今日からは、人にもさような誤解あやまりは、とくとたしなめてやらねばなりませぬ。いなか者の目の狭さ。愚衲も恥じ入ったことにござりまする。では、おん大将より御題ぎょだいなと賜わって」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
料紙台に、硯と、そして、主上からの御題ぎょだいが載って、範宴のまえに置かれた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)