御堪能ごたんのう)” の例文
太守。ご歓楽は、長い先の春秋で、いくらでも御堪能ごたんのうできましょう。——早打ちどもの飛報は、どれ一つ、安らかでありません。ここは、太守の大英断を
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
娘のエカテリーナ・イヴァーノヴナは妙齢のお嬢さんで、これはピアノに御堪能ごたんのうだった。要するにこの一家の人たちは、みんなそれぞれに一技一芸の持主だったわけである。
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
奥様は、手芸しゅげいにも御堪能ごたんのうなのですわねえ。ああ、おそばに毎日おいていただいて、奥様から手芸をおしえていただくことが出来たら、房枝はどんなに幸福でしょう。ああ、だめです、そんなこと。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お嬢さまは作歌の方も御堪能ごたんのうでいらっしゃいましょう?」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)