弾力ばね)” の例文
貴嬢はかすかにアと呼びたもうや真蒼まさおになりたまいぬ、弾力ばね強き心の二郎はずかずかと進みて貴嬢が正面の座に身を投げたれど
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
長い廻廊をぐるぐる廻って、二つ三つ階子段はしごだんのぼると、弾力ばねじかけの大きな戸がある。身躯からだの重みをちょっと寄せかけるや否や、音もなく、自然じねんと身は大きなガレリーの中にすべり込んだ。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)