“帰趣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きしゅ60.0%
きしゆ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし僕はもうずっと先きの方まで読んでいますが、この脚本の全体の帰趣きしゅというようなものには、どうも同情が出来ないのです。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そうしてこの帰趣きしゅなくしては、工藝の美は花を開かないであろう。「多」に活きることに、工藝の全き存在があるのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
この武士道によつて、現代日本の思潮に帰趣きしゆを知らしめる事が出来るならば、それは、独り日本の精神的文明に貢献する所があるばかりではない。
手巾 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
されど同座より帰途、予がふと予の殺人の動機に想到するや、予はほとんど帰趣きしゆを失ひたるかの感に打たれたり。嗚呼ああ、予は誰の為に満村恭平を殺せしか。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)