山款冬やまふき)” の例文
晃平が、先刻、未だ日の暮れないうち、朝飯の菜にとて、山款冬やまふき数十茎を折って来たのを、みんなして、退屈しのぎに、繊維すじを抜いては、鍋へ投げ入れる。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
霧がまろくなり、筋になり、樹の間から立つ、森からも、谷底からも、ふわりと昇る、例の山款冬やまふきの茎を、醤油と鰹節とで煮しめて、さいにする、苦味のない款冬である、それから昨夕の残飯に
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)