小人島こびとじま)” の例文
大人島おおびとじま小人島こびとじまとで調練の競争でもしながら歩くようで、よそ目にはずいぶんおかしいが、米友当人はおかしいともなんとも思わない。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それまで二王立におうだちに立って、巨人が小人島こびとじまの人間を見るように、純一を見ていた岡村画伯は、「晩に来給え」と、谺響こだまのように同じ事を言って、夫人の跡に続いた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
うそ八百万両も貸付けたら小人島こびとじまの政治界なんぞには今でも頭の出せそうに思われる理屈がある。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
品川の海に浮かんでいるお台場だいばが、一つ二つ三つ、五つ六つ並んで緑色の可愛かわいい置物のようだ。銀座、芝あたりの町は小人島こびとじまのようだし、芝浦の岸壁がんぺき碇泊ていはくしている汽船はまるで玩具おもちゃだ。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)