密偵みってい)” の例文
「義眼を入れたレビュー・ガールの名前をつきとめるんだって、誰にもたずねちゃ駄目だぞ。敵の密偵みっていは巧妙に化けている。どころに殺されちまうぞ」
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それも御着の密偵みっていに違いないからである。こういう秋の蠅のような男をどれほど道中で見かけて来たか知れない。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともかく計画というものは、大方、どこからか情報がもれてくるものだが、恐らくは、忠盛ほどの男だから、密偵みっていの一人や二人は、しのびこませていたにちがいない。事前に、計画は筒抜つつぬけになった。
それを案じて、吉水の学僧たちの若い人たちが実性に命じて、叡山の様子を密偵みっていしにやったとみえまする
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殺されたのは、「松」こと椎名咲松しいなさきまつという男であって、これは団員となっているが、実は其の筋の密偵みっていをつとめていた人物だった。椎名咲松の殺されたことはおおやけに対しての挑戦と見られた。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ともあれ、陣所まで曳いてゆこう。——万が一、敵の密偵みっていでもあったら、悔いてもおよばぬ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あのなかは敵の密偵みっていで一杯なんだろうな」
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
密偵みっていと睨みました」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)