安治川あじかわ)” の例文
安治川あじかわ一丁目へ酒屋を出し梶屋などという屋号まで付けて商売をやって居ようなどとは夢にも存ぜず居りました所へ、重右衛門の訴人で左様と知った時には仰天したものでございます。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「議長質問」と呼声高く立ち上ったのは安治川あじかわ舟三という石炭商であった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
瀬戸内海を縫うてまた浪速なにわへと志し、安治川あじかわを上って京の伏見より江州を経て勢州に至り、尾張、三河、遠江とおとうみ、そこの狩宿に十王堂を建て、十王尊と奪衣婆だつえばを納め、駿河するがの随所に作物を止めて
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
絶叫が、月の安治川あじかわから、海へ走った。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)