安河やすかわ)” の例文
彼はその日も茫然と、目の下に白くうねっているあめ安河やすかわを眺めていると、意外にも柏の枝の下から晴れ晴れした女の笑い声が起った。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
牛馬の遊んでいる草原くさはらは一面にほのかな緑をなすって、そのすそを流れて行くあめ安河やすかわの水の光も、いつか何となく人懐ひとなつかしい暖みをたたえているようであった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう云う長閑のどかな春の日の午後、あめ安河やすかわの河原には大勢の若者が集まって、余念もなく力競ちからくらべにふけっていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)