嫦娥じやうが)” の例文
軒端けんたん数分の間隙よりくゞり入るは、世の人の嫦娥じやうがとかあだなすなる天女なれども、我が意中人の音信を伝へ入るゝことをなさねば、我は振りかへり見ることもせず。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
世人結婚を欲することなくして、愛を欲せむか、吾人は嫦娥じやうがを愛することを、嫦娥は吾人を愛することを得、何人なんぴとが何人を愛するも妨げなし、害なし、はた乱もなし。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
水荘の嫦娥じやうがよすでに天上にしつる君をわれ見たりけん