奴隷やつこ)” の例文
奴隷やつこたちはとやかくと、口さがないのが、其為事よ。此身とお身とは、おなじ貴人うまびとぢや。おのづから話も合はうと言ふもの。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
屋敷中の人々は、身近くつかへる人たちから、垣内かきつの隅に住む奴隷やつこ婢奴めやつこの末にまで、顔を輝して、此とり沙汰を迎へた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
身狭乳母むさのおもの思ひやりから、男たちの多くは、唯さへ小人数な奈良の御館みたちの番に行けと言つて還され、長老おとな一人の外は、唯雑用ざふようをする童と奴隷やつこ位しか残らなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)