大洋タイヤン)” の例文
大洋タイヤン小洋ショウヤンと銅貨との計算法がとてもヤヤコシクて、これを上手に活用すると、お銭を細かくこわすごとにお銭の数と量と価値とを増すし
赤げっと 支那あちこち (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
後では大洋タイヤンで二円と少しばかりの小銭が残っているばかりであったが俺は鬱血を一時に切り開いた時のような晴々しさを覚えた。
苦力頭の表情 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
で、色電灯と散乱する音譜とウンテルベルゲル氏の職業用微笑にいくらかの大洋タイヤンを献じたのち、私達は空腹と連れ立って食堂をあとにした。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
十元に対して、金票十二円三十銭の相場を持続していた交通銀行と、中国銀行の大洋タイヤン紙幣が、がた落ちに落ちた。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
八つ刺した串が一本大洋タイヤンの一銭とかで、終日砂ほこりにさらされて真っ白になっているのを、売れても売れなくても一向平気に、彼は呶鳴どなることそれ自身に生甲斐いきがいを感じているらしく
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
肥満せる猶太ユダヤ独逸ドイツ人ウンテルベルゲル氏が経営して自ら給仕長として立ち、いっぽんの生胡瓜オグレツ大洋タイヤンの一円五十銭をとり、定食アベイトには、卓上電灯を半暗にして不可思議な舞踏交響楽がはじまり
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)