大殿作おおとのづく)” の例文
そして菊亭殿きくていどのおくのようすをジッと聞きすましているらしかったが、ひろい大殿作おおとのづくりの内からは、あれきりつづみも人声ももれてはこず、ただ花橘はなたちばなや梅のに、ぬるい夜風がゆらめくのを知った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)